マシンガードの要因(制御の完全性、エネルギーの隔離、代替ロックアウト、リスク削減)

機械安全/労働安全

「安全はすべての人の目標です。」と言うことは簡単ですが、それは実際のところ何を意味するのでしょうか︖ 

 

 

                                                                                 

 

適切な職場の安全慣行は、機械のオペレーターだけでなく、保守担当者などオペレータ以外の人々の怪我のリスクを減らすことができます。また、機械や会社の他の資産への偶発的な損傷、または環境を害するリスクを減らすこともできます。一般的な業界規格は、ゼロリスクなどは存在しないことを認めていますが、とはいえリスクを最小限に抑える方法について、機械メーカーや作業者にガイダンスを提供しています。これは一般にマシンガードと呼ばれています。ここでは、いくつか鍵となる要因について説明したいと思います。

 

 

 
 
 
 
 
 
 
制御の安全性                                                   
 
マシンガードの最も重要なポイントは、不必要にリスクにさらされることを最小限に抑えるために、電気部分だけでなくシステム全体を評価することです。これは、システムが制御リンクにおいて、最も弱い部分に基づいて評価される必要があるからです。                                                                                                                                                                                             

いくつかの規格(ISO 13849-1, ANSI / ASSE Z244.1, およびANSI / PMMI B155.1)は、入力機器、検出機器、およびインターロック機器だけでなく、空気圧バルブや油圧バルブなどの”出力機器”も含むものとして制御システムを定義しています。

 

高制御信頼性バルブ カテゴリ4  DM2Cシリーズ 

 

流体制御バルブの機能は、電気制御リレーの機能を模倣しており、”安全の完全性”の分類をするための同じ規則に従っています。したがって、適切に指定された機械安全保護システムには、以下を含む空気圧バルブの規定が含まれます。

 

・  機能的に冗長化されていなければならない。

・ 外部機械制御または安全回路に依存せずに、障害(冗長性の喪失を引き起こす可能性のあるパフォーマンス低下の障害を含む)を監視する必要があります。                                                      

・ 圧力損失または他の似たような障害が発生した場合、安全が確保できる状態に戻る必要があります。 

・ 障害が検出されると、修正されるまで、それ以上の操作が禁止される必要があります。 

・ リセット機能に特化した専用入力を備え、単に空気圧および油圧を除去または加えることによってリセットが出来て                   

  はならない。 

・ 自動的にリセットされてはならない。

 

さて、高制御信頼性とは一般的に、全タイプの回路に対してISO 13849-1 / EN954-1規格で定義されている安全カテゴリ3または4と見なされています。カテゴリー3についてこのISO規格は、「これらの制御機器のいずれかで単一の故障が起こった際に、安全機能の損失につながらない。」、また「安全機能に対する次の要求時またはその要求前に故障が検出されなければならない。」と述べています。また、カテゴリ4の場合、「検出されていない障害が蓄積しても、安全機能が失われることはない。」と述べています。

 

ただし、流体動力による制御信頼性の提供は、電気制御の場合とまったく同じというわけではありません。例えば、安全回路の単純な冗長性には、2つではなく、4つの弁体と同等の機能が必要です。4つの弁体のうち、2つは入口機能を処理し、他の2つの弁体は停止機能(エネルギー放出)を処理します。多くの自己設計されたシステムは、隠れた潜在的な欠陥を持っているリスクがあり、それら欠陥は目に見えず、予想外であり、そのため設計および安全性の再調査から除外されてしまい、結果危険な状況につながってしまう可能性があります。良い例は、スプールのクロスオーバー状態やバルブのゴーストポジションがあり、これらは、通常回路図には表示されていません。

 

 

 

 

2つの一般的な異常状態がバルブの安全性に影響を与える可能性があります。 1つ目は、リレーが開位置または閉位置で動かなくなった場合など、電気制御障害に似ています。2番目の異常な状態は、弁体が粘着性を持ったり、バルブの応答性が遅くなったりといったように、バルブのパフォーマンスが低下した場合です。これらの場合、バルブの弁体は適切な位置にまで移動しますが、ゆっくりとしたシフトは、機械の安全な停止距離または正確なタイミングに影響します。

 

ANSI B11.19- 2003規格では、重要なアプリケーションにおいてこれらのバルブの状態を検出する監視システムの導入が義務付けられており、ANSI / PMMI B155.1規格では、もし停止時間が影響を受ける可能性がある場合は、パフォーマンス低下の監視を要求しています。これらの簡単な解決策は、両方の状態を検出するように設計された自己監視機能が備わったのカテゴリ3またはカテゴリ4のバルブを使用することです。

 

ダブルバルブの使用は、最初に制御信頼性の要求を始めたプレス加工業界などいくつかの特定産業を除いて、長年にわたって、どちらかと言えば知られていない状態が続きました。ダブルバルブは二重の内部機能(冗長性)を提供するため、片方の弁に異常が発生しても、全体的なバルブの正常動作が邪魔されることはありません。この検出および抑制機能は、一般にモニタリングと呼ばれています。

 

 

並列使用・直列使用に関係なく、2つの標準エアバルブでは同じ安全保護機能を実行することはできません。2つの標準エアバルブを回路に組み込むだけでは、片側のバルブの異常な動作を検知する対策がありませんし、またさらに好ましくないことは、応答性が遅くなったりといったパフォーマンスの低下を検知するための対策もありません。その上、バルブが修理されるまで、回路の再起動を禁止するための対策もありません。もし、1つのバルブが異常に動作しても、2番目のバルブが機能し続けるため、冗長性が失われます。回路は冗長性の喪失を認識せず、冗長性が損なわれたことを示す警告として動作を停止することもありません。次に、2番目のバルブも異常に動作すると、「バックアップ」がなくなり、制御の完全性が失われます。

 

油空圧機器の信頼性が問題となった時はいつでも、ダブルバルブの採用がその解決方法として適しています。非常停止、両手操作、ライトカーテン、セーフティゲート、セーフティゲート用の空気圧ロック装置、油圧ブレーキ、エアブレーキ、アミューズメントライド、ホイスト、エレベーター、ピンチポイントアプリケーションを含む典型的なアプリケーション、または制御システムが動作するその他のアプリケーション、これら全てはバルブの動作に左右されています。

 

エネルギーの隔離                                                        

エネルギー隔離ロックアウト/タグアウト(LOTO)は、もう一つの優先度の高いテーマです。標準のLOTOでは、労働者が機械の保護区域に入る前に、すべてのエネルギーを消散させ、機械の状態を確認する必要があります。この規格は、「非通電」とは、すべてのエネルギー源を機械から切り離し、回路に残留蓄積エネルギーが残っていないことを確かにすることであると定義しています。流体動力の場合、これには手動操作のエネルギー遮断弁が必要です。それは、

 

・ 安全で不正開封(いじり)防止の方法で鍵を取り付ける

・ 保護区域外のアクセスしやすい場所にある

・ 従業員が保護区域に入る前にエネルギー消散を確認する方法が備わっている

・ 通常の生産工程では使用されない

・ フルサイズの排気ポートが備わっている (ANSI/PMMI B155.1-2006, CSA Z142-02)

・ 分かりやすい動作(ハンドル位置は、ONかOFFの種類のみ)

・ 簡単にLOTO弁であると識別できる

・ OFFの位置のみで施錠が可能

 

そしてもちろん、企業には書面による会社の方針を残し、関連する従業員を訓練する必要があります。

 

               L-O-X® LOTO用 ロッアウト&排気バルブ

 

 

 

 

代替ロックアウト

ANSI/ASSE Z244.1-2003 (R2008)規格は、「代替の制御方法」と呼ばれる他のロッアウト手法にも取り組んでいます。これらのシステムは、コストを削減し、機械の稼働時間を改善できます。しかし、代替方法は、生産プロセスに不可欠であり、効果的な個人保護を提供するリスクアセスメントに基づいている日常的で反復的なタスクにのみ適用されます。機械にはさらに、修理やその他のタスクのための標準的なロックアウトシステムが必要です。

 

代替の制御方法には、時間を節約する2つの有益な点があります。まず、ロックアウトを簡素化および高速化する単一のロックポイント(リモートの低電圧システム)を使用し、ロックアウトを行なっていない箇所が残ってしまうことを回避することで、安全性を高めることが可能です。作業者は、ロックアウトまたはロック解除を行うために、様々なポイントに近づくために、機械の周りを移動する必要はありません。これらのシステムは、制御システムに接続された電気的ロックアウトスイッチを機械にアクセスが必要な場所に配置し、空気圧および油圧ロックアウト用の適切な安全弁を組み込んでいます。

 

代替ロックアウトシステムの2番目の特徴(利点)は、すべてのエネルギーを除去する必要がなくなるという点です。実際に、全てのエネルギーを取り除くと、より危険な状態になってしまうことがたまにあります。これにより、システム内に大量の圧縮空気が蓄積されている場合に、時間とコストを大幅に節約できます。

 

                   3/2 常時閉 カテゴリ2 センサリングバルブ

 

この規格は、日常的、反復的、または生産に不可欠ではないが、たとえば制御回路のトラブルシューティングように電力を必要とするタスクにも役立ちます。新しい規格では、ゼロリスクなどといったものは無く、特定のタスクを実行するために必ずリスクが存在するということが認識されています。この場合、規格は、制御システムおよび隔離されていないエネルギーを制御するバルブに制御信頼性の高い、カテゴリー3または4の機器の使用を要求しています。

 

リスク削減

リスクが”ゼロ”などということはありません。したがって、これらの規格は、最も効果的にリスクを低減することができる方法を見つけ出すために、起こり得るすべてのリスクを評価することを要求しています。リスクアセスメントを行う最善の取り組み方は、それをチームとして行うことです。ANSI B11.TR3-2000によってもたらされた大きな変更の1つは、”機械メーカー”と”ユーザー”の両方に、アセスメントを実行する責任があるとしたことです。

 

・ 監視または手動で操作する必要がある油圧アキュムレータタンク戻し弁

・ 荷重を所定の位置に保持し、本質的に圧力を閉じ込めるように設計されている(ロックアウトプロセス中に解放する必要があります。)パイロット操作のチェックバルブ(POチェック)

・ 圧力を閉じ込める3位置全オールポートブロックバルブの使用

・ ホースまたはチューブのフィッティングが吹き飛んだときに発生する危険

・ シリンダーの急な動作を引き起こし機械に衝撃を与えるLOTO後の圧縮空気再供給時に起こる圧力の急上昇

 

過去に危険が発生したことが無かったとしても、これらすべて、またはこれら以上について、潜在的な危険を明らかにするために、回路の完全な分析を行う必要があります。 規格は、事が発生する可能性がある場合は、必ず検討する必要があるとしています。

                      冗長性 2/2 POチェックバルブカテゴリ3

 

信頼できる制御回路を設計するためにエンジニアは、信頼性のリンクを、各機器のリンクごとに分ける必要があります。各リンクは、上記の制御信頼性仕様を満たす制御機器に相当する必要があります。機器がこれらすべての基準を満たさない場合、それは制御機器とは見なされず、単に回路に統合するための構成要素であると見なされるため、制御信頼性を達成するために追加の機器の導入が必要になるか、回路の再設計が必
要になります。

 

電気制御がすでに高制御信頼性のものである場合、システムを更新することは難しいことではないかもしれません。一部のバルブにはすべての監視ロジックが組み込まれているため、バルブ監視用に既存の外部制御回路を変更する必要はありません。既存の空気圧または油圧バルブを重要アプリケーション用のバルブに交換し、システムに適切に配線するだけで、流体制御を高制御信頼性状態にすることができます。

 

したがって、次に回路を設計するときは、ISO, ANSI、OSHA、およびそれらと意見が一致している規格内容が、最初から最後まで制御回路全体に適用されれば、信頼性の鎖(リンク)を壊すことがないことを思い出してください。

 

 

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