機械の「内側」に潜む危険性。「残圧排気」の必要性をチェック

機械安全

機械のメンテナンスを行う際、機械内の残圧(空気)を抜くことは非常に重要です。何故なら、残圧による機械の作動や、噴き出した残圧による部品の吹き飛びなどの事故が起こるからです。しかし日本の現場では、機械の圧力供給を停止して機械の作動を止めても内部の残圧まで抜かずに点検作業を行うことがあるようです。一方、アメリカの現場では、残圧を抜いてから点検作業を行うことがOSHA規格で要求されています。

今回は作業者の安全確保、効率的なメンテナンスのために重要な「残圧排気」について、事例と共にご紹介します。

残圧が原因で起こり得る、予想外の事故

「残圧」は、機械への圧力供給を停止した後に機械内に残る圧力です。機械のメンテナンスをする際、残圧をきちんと排気しておかなければ思わぬ事故につながる可能性があります。過去には、機械の電源を切って稼働を停止させた後に、残圧によって機械が作動して作業員がケガをするという事故が起こりました。また、空気圧機械の分解メンテナンス時に残圧抜きの作業が不十分で残圧が吹き出してしまい、部品の破損や吹き飛びなどの事故が起きたことも報告されています。

 

例えば、平成24年4月にはジョイント点検の事故が起きています。事故内容は、作業者の男性がホースジョイント部のエアー漏れの点検を、残圧を抜かずに行っていたというもの。その結果、高圧ホースがジョイント部分から外れてしまって残圧が噴き出し、男性は超角膜遺物や右結膜下出血、網膜振盪といったケガを負ったと報告されています。

 

また、エアシリンダ―の残圧による事故事例も報告されています。事故の発生状況は、シリンダー搬送ユニットが固定枠に引っかかってしまったため、電源をOFFにして両手で搬送ユニットを掴んだというもの。その際、機械内の残圧によってエアシリンダが突然作動し、左中指を挟まれる事故が起きたと発表されています。

 

これらの事例からもわかるとおり、残圧の排気作業は安全に点検を行ううえで欠かせない大切な作業だといえるのです。機械の電源をOFFにするのはもちろん、残圧排気の作業を徹底する必要があります。

事故防止に役立つ、残圧排気弁

停止した機械の作動や部品の吹き飛び、危険物の噴出など、さまざまな事故の原因となり得る機械内の残圧。しっかり排気しておくことは、これらの事故を防いで作業者の安全確保につながります。機械の残圧の排気作業では、専用の「残圧排気弁」を活用することが大切です。

 

特に3方弁タイプのバルブであれば、1度の作業で圧力供給の遮断と排気が可能なので空気圧機器の点検時に活用できます。機械からバルブを外す際の残圧状態が把握できるよう、専用の圧力計やポップアップインジケータが装備できるものもあります。残圧排気弁の操作タイプは大きく3種類に分けることができ、それぞれ手動式、電磁式、エア式と異なる形式が設けられています。

 

残圧の排気作業を行う際、特に注意したいのが残圧がたまりやすい箇所の把握です。エアタンクやチェック弁、2方弁、クローズドセンタ3ポジション5方弁などが要注意箇所です。複数人による作業を行う場合は、タグなどを使用して「この箇所に残圧の危険あり」といった警告を取り付けて危険箇所の共有を徹底して行うことが大切です。

機械を止めても油断は禁物、残圧排気は確実に

日本の現場では、機械内の残圧排気が十分に行われていないというケースも少なくありません。上記で解説したとおり、残圧には部品の吹き飛びや作業者の転倒、危険物の噴出などを引き起こす危険性があります。作業者の安全を確保するため、圧力供給を停止するだけでなく、残圧排気も徹底することが大切です。

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