安全関連製品の選定では大きなポイントに!製品の寿命を表すMTTFとは?

機械安全

機械やシステムなどを導入する際には、その性能や安全性などさまざまな点を考慮して選定を行います。そうした選定のポイントの中には、製品の寿命も含まれています。どれだけ性能がよく、安全性が高い機械やシステムであっても、すぐに壊れてしまうのであれば安心して使うことはできません。特に安全関連製品などリスクアセスメントを目的とした製品の場合には、寿命は非常に重要な項目であるといえます。
製品の寿命を表す指標としては、MTTF(平均故障時間)があります。製品のMTTFが分かれば、その製品の寿命の目安を知ることができます。ここでは、MTTFがどういったものであるか、その考え方についてご紹介します。

製品の寿命の指標、MTTFとは?

MTTFは「Mean Time to Failure」の頭文字を取った言葉で、日本では平均故障時間と呼ばれます。MTTFは修理できない製品に対して用いられるものであるため、いわゆる平均寿命と同じ意味を持ちます。つまり、どれだけの時間で壊れるかを示した指標です。MTTFが10年の場合、その製品は「平均して10年間稼働すれば故障する」ことを表しています。
ある製品のMTTFは、複数の同一製品の稼働から故障までの時間を調べ、その平均を算出することで求められます。例えば製品Aと同じ仕様の製品A1、製品A2、製品A3の稼働から故障までの時間がそれぞれ100時間、110時間、105時間だった場合、製品AのMTTFは

MTTF=(100+110+105)/3=105時間

となります。

一般的には、MTTFの値が大きいほど長期間安定して使用できる製品であるといえます。

修理できる製品ではMTBFが用いられる

上述したMTTFは、修理できない製品に対して用いられる指標です。しかし、数多くある製品の中には修理できる製品もあり、それらに対して用いられる指標もあります。それが、MTBFです。
MTBFは「Mean Time Between
Failure」の頭文字を取った言葉で、日本では平均故障間隔と呼ばれます。故障間隔という言葉の通り、稼働を開始してから次に故障するまでの時間を表しています。MTBFが10年の場合、その製品は「10年間の稼働で平均して1回故障する」といえます。
ある製品のMTBFは、その製品の総稼働時間を総故障件数で除することで求められます。例えば稼働から100時間で故障、修理から150時間で故障、修理から130時間で故障という製品Aの場合、そのMTBFは

MTBF=(100+150+140)/3=130時間/件

となります。

MTTF・MTBF共通の問題、理論値と実感との乖離とは?

製品のMTTFやMTBFを調べる場合、最も正確なデータを取るためにはひとつの製品が故障するまで(MTBFの場合は使えなくなるまで)監視する必要があります。しかし、そのためだけに数年や数十年にわたって監視を行うというのは、現実的には不可能だといえます。そのため、通常は同一の製品をいくつも同時に稼働させ、それぞれの稼働時間を合計することで算出します。

例えばMTBFを調べる場合。同一の製品を1,000台同時に稼働させて100時間の監視を行うと、合計で10万時間稼働させたとみなすことができます。その間に10台が故障した場合、MTBFは10,000時間/件となります。仮に1台だけ稼働させて10万時間監視した場合、10回故障すればMTBFは同じく10,000時間/件です。このように、どちらの手法でもMTBFは変わらない結果となります。
しかし、実際に製品を稼働させる場合には摩耗や経年劣化という概念が存在するため、1,000台の合計稼働時間から算出した理論値は必ずしも正しいとはいえません。こうしたことから、理論値と実際に製品を導入した場合の故障間隔の実感との間で乖離が発生するのです。

 

なお、MTTFとよく似た言葉に、「MTTFd」があります。ISO13849-1「機械類の安全性 ―制御システムの安全関連部」による機能安全の尺度で「PL(パフォーマンスレベル)」を満たすパラメーターのひとつですが、「安全関連部が危険側故障を起こすまでにかかる平均的な時間」を表しています。次回は、このPLやMTTFdに関してご紹介します。

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